新年早々、こんな記事を見つけた。
『九州大学研究グループ、アトピー性皮膚炎のかゆみのメカニズムを解明』
『新たな治療薬に期待』
この記事によると、
タンパク質「EPAS1」が、痒み物質「IL-31」の産生を誘導することが判明。
既にメカニズムは解明され、痒みを絶つための新たな治療薬の開発が期待される。
とのこと。
アトピー発症の要因、痒みのメカニズムに関する報告は今までも多々あった。
例えば、
2016年4月。理化学研究所によるアトピー性皮膚炎の原因となる遺伝子の解明。
2015年4月。慶応義塾大を中心とする『黄色ブドウ球菌を含む異常細菌巣』の発見。
等々・・
いずれも、アトピー性皮膚炎の発症予防や治療法確立への期待を抱かせる内容だ。
確かに、患者にとって、アトピー治療の選択肢が増えることはありがたい。
しかしながら、この類の記事を読むたび、私はいつも思うのだ。
「足りない・・・」と。
根拠があるわけではない。
と言うか、私の場合、医学的な根拠など皆無で、あるのは自身の経験だけなのだが、
それでも何かが「足りない」と思う。
医学的見解と私の経験の相違。
医学と言うのは、常に「自分と対象」「主観と客観」の対立がその根底にある立場。
つまり、正確に事象をとらえ、そのメカニズムを解明することを何より優先する。
ある意味、これは強烈だ。
実際、外科などの分野では圧倒的な結果を出せる。
ところが、
それでも、「アトピーの場合、このスタンスだけでは無理だ。」
と、私の経験は訴えてくる。
何が無理なのか?
それは、主観と客観を対立させる立場。
つまり、事象を正確にとらえ、そのメカニズムを解明しようとする立場。
この方法に限界を感じるのだ。
何故なら
いかに正確に事象をとらえそのメカニズムが解明できても、その事象を観察・思考する自分
(主観)は、対象であるアトピー(客観)の中に入り込む訳ではなく対立したままだから。
これでは、アトピーは治せない。
いや、正確には『治せる確率は低い』ままなのだ。
つまり、行き着くところ、アトピーは自分で治す病気なのだ。
決して、誰かに治してもらうような類の疾患ではない。
いろんな分野の方々がアトピーのメカニズムを探り、新薬の開発に尽力されている。
ありがたい話である。
本当にありがたい話である。
このような方々の日々の努力により、アトピー患者の地獄ような体験が軽減されている事実を
見逃すことはできない。
しかしながら、大切なこと。
それは、このような研究者の方々の努力が背景にあることを知りつつ、患者自身は自分で治す
ための努力を続けること。だと思うのだ。
新薬の開発と患者自身の努力。
このふたつは決して矛盾するものではない。
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