20代の頃、重度のアトピーだった頃、私はいつも疲れていた。
「ああ疲れた・・・」
この言葉を、何度口にしたことか。
それはもう、口癖のようになっていた。
実際、私は本当に疲れていた。心身ともに。
立っているより座りたい。座っているより横になりたい。
常に、そんな状態だった。
アトピーと言う病気も重症化すると、そんな状況になってしまう。
ところで、
この『疲れ』はどこから来るのだろう?
私の場合、この『疲れ』をよくよく観察してみると、それは必ずしも
身体的・肉体的な要因ではないことに気付く。
その証拠に、私は自分が好きなことをしている時だと、身体的・肉体的
な疲労でさえ、むしろ心地よく感じている。
一方、自分がやりたくないこと、気が進まないことを我慢してやった後、
私は、どっと疲れている自分に気付く。
と言うことは、
疲れが生じるメカニズムとは考え方や心、つまり身体的・肉体的要因
ではなくメンタル面、精神面に起因している気がする。
言い換えるなら、『疲れ』と言うのは、心とカラダのバランスが崩れた時に生じる。
こう考えると、思い当たる節は一杯ある。
つまり、身体とココロがバラバラの状態。お風呂でシャンプーしている時、心はうわの空。
で、湯船に入る時、『あれ?シャンプーしたっけ?』
この程度なら、笑い話で済む。
それでも、『怖いな~』と思うのは、車の運転。
集中しているようで、他のことを考えている時が多い・・・
何となく、目的地に向かっているだけなのだ。
『これでいけない・・・』
そう思って通勤途中、歩いている時には『歩く』ことに集中することにした。
歯を磨く時には、歯を磨くことに集中。他のことはなるべく考えない。
すると、すると・・
こんな単純なことで、心と身体が一体化する。
次第に・・ ゆっくりと・・・
では、嫌な仕事をしなくてはならない時は?
その仕事が好きだと思えないか? 試してみた。
その結果、『何が何でも嫌なものは嫌!』と言う仕事は意外と少ない。
まあ好きではないが、不思議とそれなりに大事な仕事のように思えてきた。
これだけでも、『疲れ』は随分マシになる。
実を言うと、この方法は瀬戸内寂聴さんから拝借。
寂聴さん曰く、『私は嫌な仕事は好きだと気持ちを切り替えてからやります。』